防風通聖散の副作用は下痢?18種類の生薬全成分を完全解説!

生漢煎などの防風通聖散を飲んでみたいけれど副作用が気になるという方もいらっしゃるのではないかなと思います。下痢になったらどうしようとか、肝臓に負担が掛かったり、むくみが起きたりしないのかなど。そこで、防風通聖散の副作用と成分を徹底分析し、解説していきます。防風通聖散は全18種類の漢方生薬の組み合わせなので、それらすべての副作用をまとめていきます。

 

【目次】

 

防風通聖散の副作用を原料の生薬18種類の成分から解説

生薬名称

生薬の副作用と効果、特徴など

トウキ(当帰) 副作用は下痢や食欲不振、胃の不快感など胃腸に関する症状が出ることがあります。セリ科のトウキを湯通しして乾燥させたもので、月経不順や月経痛、不妊症など婦人科系の症状に効果を発揮します。
シャクヤク(芍薬) 副作用は血圧の上昇や失神・めまい、手足のしびれの症状が出ることがあります。ボタン科のシャクヤクの根の部分を使用し、肩こり、胃痛、生理痛など、様々な痛みの症状に対する痛み止めとして効果を発揮します。
センキュウ(川芎) 副作用は吐き気やめまい、胃腸の障害などの症状が出ることがあります。また月経過多や出血性疾患の人は注意して使用する必要があります。セリ科のセンキュウの根茎を湯通しして乾燥させたもので、頭痛、肩こり、関節痛などを抑える鎮痛効果や、貧血を改善する効果、月経異常の人の月経を促進する効果など、体に血を巡らせる効果があります。
サンシシ(山梔子) 副作用は悪寒の症状が出ることがあります。また体の弱い方や妊婦の方は慎重に使用する必要があります。アカネ科のクチナシの果実で、皮膚炎や打撲、喉の腫れなどの炎症を取り去る鎮静作用や利尿作用、胆汁排泄促進作用などの効果があります。
レンギョウ(連翹) 副作用は下痢や腹痛、吐き気や食欲不振など、お腹周りの症状が発生することがあります。まれに肝機能障害を起こすこともあるので、肝臓の弱い方は注意が必要です。モクレン科のレンギョウの果実を乾燥させて作る生薬で、風邪の治療や皮膚の腫れを抑えるといった「熱を冷ます」効果があります。
ハッカ(薄荷) 副作用は、授乳中の女性の乳の分泌を抑制してしまうため、授乳中の女性には不向きです。シソ科のミントの和名であり、清涼作用や、目の充血、喉の痛みなどを抑える効果などがあります。
ショウキョウ(生姜) 副作用は、胃痛や下痢、嘔吐の症状が起きることがあります。漢字の記載からわかるとおり、ショウガのことです。体を温めたり、発汗作用、血液の循環を良くする効果などがあります。
ケイガイ(荊芥) 副作用は吐き気や血圧の上昇、むくみなどが発生することがあります。シソ科ケイガイの花の部分を使用した生薬で、発汗作用や解熱作用、皮膚の炎症を抑える作用などがあります。
ボウフウ(防風) 副作用は特になし。セリ科のボウフウの根や根茎を乾燥させたもので、頭痛やかゆみを止める効果があります。
マオウ(麻黄) 副作用は麻黄に含まれるエフェドリンという成分による血圧上昇や動悸、脈が速くなる症状など。エフェドリンは交感神経を刺激する、つまりは興奮を促す作用があるので、血圧が高い方は使用に際し注意が必要です。シナマオウやフタマタマオウの茎を使用した生薬で、気管支拡張作用や発汗作用などの効果があります。
ダイオウ(大黄) 副作用の中で一番大きなものは子宮収縮です。子宮が張った状態になるため、破水を起こし、流産につながる恐れがあるため、妊婦の方が使用するのは禁忌となる成分です。その他の副作用としては、下痢、腹痛、吐き気、食欲不振などの症状が出ることがあります。タデ科ダイオウの根茎を乾燥させたもので、「将軍」という異名が付くほど漢方では特に重要な生薬です。毒素を体外に排出する効果があり、便秘や膨満感などに効果があります。
ボウショウ(芒硝) 副作用としては、流産のリスクがあるため、妊婦の方が使用するのは禁忌となる成分です。他、下痢や腹痛、むくみなどの症状が現れることがあります。硫酸ナトリウムそのもので、腸の動きを活発にすることで、便秘に効果があります。
ビャクジュツ(白朮) 副作用は体温を上げる効果があるため、発熱時の使用は控えたほうがよいです。オケラの根茎を乾燥させたもので、体を温めたり、発汗を止めたりする効果があります。
キキョウ(桔梗) 副作用は胃腸に刺激性があるため、胃腸が弱っていたり、胃炎の方は使用を控えたほうがよいです。キキョウ科の多年草であるキキョウの根を使った生薬で、咳やたんを抑制し、気管支炎の症状を和らげるなど、呼吸器系の症状に効果を発揮します。
オウゴン(黄芩) 副作用としては、肝機能障害や発熱、空咳などの症状が発生することがあるので、消化器が弱っている方は使用に注意が必要です。コガネバナの根を乾燥させたもので、炎症を鎮めたり、熱を下げたりする効果があります。
カンゾウ(甘草) 副作用は偽アルドステロン症と呼ばれるむくみや手足の力が抜けたり、血圧が上がったり、疲労感を感じたりする症状に見舞われることがあることです。マメ科のカンゾウの根を乾燥させたもので、その名の通り強い甘みがあり、喉の痛みや咳を鎮める効果などがあります。
セッコウ(石膏) 副作用は冷え性の方が使うと悪化する恐れがあることです。硫酸カルシウムの別名であり、その解熱鎮静作用により、熱を下げたり、喉の痛みや口内炎などを鎮める効果があります。
カッセキ(滑石) 副作用は食欲減退や胃の不快感といった症状に見舞われることがあることです。ケイ酸アルミニウムの別名で、排尿を促進することで、膀胱炎や尿道炎を改善する効果があります。

 

排泄を促進する生薬が多いので下痢に注意

防風通聖散は肥満症や便秘の人に対して使う漢方なので、体の排泄を促す生薬が多く使われています。そのため、効果の裏返しとしての副作用として下痢の症状が出ることがあります。私自身も下痢まではいきませんが、便がいつもより柔らかくなって、トイレの回数が増えたなという実感はありました。下痢がひどい場合は、食事の時間から極力離れた時間に飲んだり、飲む粉の量を少し少なめにするなど調整をしてみると良いかもしれません。

 

代謝や発汗を促す生薬も多いので血圧が上がることがある

防風通聖散はダイエット目的の方に人気の漢方で、発汗や代謝を促す生薬も多く使われています。体に血を巡らせる一方で、血圧が上がってしまうこともあるため、あまりに血圧が高い方は注意して使用する必要があります。汗がよく出るようになって、代謝がよくなっている感じは、私も飲んで1週間以内に明確に自覚できました。代謝・発汗の効果の裏返しとして血圧上昇の副作用があるかも、というところは気に留めておくと良いかもしれません。

 

妊娠中、もしくは授乳中の女性は控えたほうがベター

毒素を体外に排出する効果があるダイオウと腸の動きを活発にして排便を促す効果のあるボウショウ(硫酸ナトリウム)に関しては、その排出の効果の強さの裏返しとして、流産になる恐れがありますので、妊婦の方は控えたほうがよいでしょう。また、ハッカには腫れや充血を収める効果がある一方で、乳の出を抑制してしまう副作用もあるので、授乳中の方も注意が必要です。

 

防風通聖散の副作用は下痢?18種類の生薬全成分を完全解説!

 

防風通聖散の添付文書に書かれている副作用一覧

防風通聖散は先の項目で記載をした生薬18種類の組み合わせによって構成されている漢方になりますので、各生薬が持っている副作用はすべて症状として出うるものになりますが、医者が用いる薬の専門文書である添付文書に書かれた防風通聖散の副作用に関してもすべてご紹介したいと思います。

 

重大な副作用

ここでご紹介する副作用は、頻度自体は多くないものの、起きた場合は非常に重大な副作用であるということで、注意喚起がなされている副作用です。全部で4つありますので、それをご紹介します。

 

間質性肺炎

間質性肺炎というのは肺炎の一種です。通常の肺炎は気管支の炎症によって起きるものが多いですが、間質性肺炎では間質と呼ばれる肺の組織を繋ぐ役割の組織が炎症を起こしてしまう病気です。この炎症が起きると、肺が固くなる状態になり、肺活量が低下し、呼吸困難に陥ります。防風通聖散に含まれる生薬成分であるオウゴンとケイガイによる副作用です。

 

偽アルドステロン症

アルドステロンというのはホルモンの名前です。アルドステロンが過剰に分泌されることで起きる症状のことをアルドステロン症というのですが、アルドステロンが過剰分泌されているわけではないにも関わらず、アルドステロン症のような状態になる症状を偽性アルドステロン症といいます。

 

具体的な症状としては、高血圧や不整脈、手足のしびれやだるさ、全身のだるさや筋肉痛などがあります。防風通聖散に含まれる生薬成分のカンゾウの他、レンギョウ、ケイガイによる副作用です。

 

ミオパチー

ミオパチーというのは筋肉痛や筋力低下など、筋肉に関する病気の総称です。これは上記の偽性アルドステロン症から引き起こされる症状で、防風通聖散に含まれる生薬成分のカンゾウによる副作用です。防風通聖散を飲み続けていて、手足に力が入らなかったり、筋肉痛が治らないなどの症状がある場合は、このミオパチーを疑ったほうが良いかもしれません。

 

肝機能障害、黄疸

黄疸(おうだん)というのは肝臓を悪くしてしまった人に出る、肌や目の色が黄色くなってしまう症状です。ビリルビンという本来は胆汁の成分になる黄色い物質がうまく排出されないことで起きる症状で、肝機能がうまく働かないことで発生します。防風通聖散に含まれる生薬成分のレンギョウとオウゴンによる副作用です。

 

 

これらの症状、息苦しかったり、手足の力が出ない、肌が黄色っぽいなどの症状が出た場合にはすぐに使用を中止したほうがよいでしょう。ただ、それほど頻度が多いものではなく、防風通聖散は800年以上も古くから使われてきている伝統のある漢方なので、薬としての信頼性の高さは歴史が実証していると言えるでしょう。

 

その他の副作用

重大な症状ではないものの、副作用として現れることがある症状についてここではご紹介します。

 

下痢や腹痛、軟便

防風通聖散は便秘や肥満症を解消する効果のある漢方なので、体の中に溜まったものを排出するような効能のある生薬が複数含まれています。そのため、その効果が強く出過ぎると、下痢や腹痛、軟便といった副作用として現れることがあります。トウキ、レンギョウ、ショウキョウ、ダイオウ、ボウショウの5つの生薬の効果でもあり、副作用でもあります。

 

吐き気や胃のむかつき、不快感と食欲不振

下痢と同様に、防風通聖散の体外に排出しようとする作用は胃の症状に対しても及びます。そのため、吐き気や胃のむかつき、不快感と食欲不振といった症状として現れることがあります。トウキ、センキュウ、レンギョウ、ショウキョウ、ケイガイ、ダイオウ、キキョウ、カッセキの副作用です。

 

動悸や心拍数の増加、不眠症や汗が頻繁に出るなどの精神興奮作用

防風通聖散を構成する生薬の1つであるマオウに含まれるエフェドリンという成分は興奮を促す作用があるため、それに伴う動悸や心拍数の増加、不眠症や汗が頻繁に出るなどの症状が副作用として感じられる方もいます。これらの症状は裏を返すと代謝を良くする作用でもあるので、肥満症解消のための主作用とも言えます。

 

発疹や皮膚のかゆみなどの症状

防風通聖散の成分であるビャクジュツの副作用として、発疹や皮膚のかゆみなどの過敏症の症状が現れることがあります。また、オウゴンの副作用としても痒みが現れる場合がありますので、そうした症状がみられた場合には、使用を中止してください。

 

排尿障害

マオウという生薬の副作用により、おしっこが出にくくなる排尿障害になることがまれにあります。また、ショウキョウに関しても、筋肉に影響を及ぼすことで、膀胱に影響が出る副作用がまれに発生するため、排尿障害につながることがあります。

 

妊婦の使用による流産のリスクや授乳婦の使用による乳の出が悪くなる症状

防風通聖散で使われている生薬の中には、流産の恐れがある成分が含まれていたり、乳の出を悪くする成分が含まれているので、妊娠中、授乳中の女性の使用は控えてください。ダイオウは子宮が張った状態になる副作用があるため、破水からの流産を引き起こす恐れがあります。ボウショウも流産のリスクがあります。ハッカは乳の分泌を抑制する副作用があるため、授乳中の女性には不適です。

 

 

ここで挙げられた作用に関しては、防風通聖散の主な効果の裏返しとなっているものもあるので、薬との相性といえる部分もありますが、特に下痢や食欲不振、汗が頻繁に出るなどの代謝促進による症状はよく報告されておりますので、使ってみて体に合う場合は継続して使用し、合わない場合は使用を中止するなど、適宜判断をされるとよいでしょう。

 

防風通聖散の副作用は下痢?18種類の生薬全成分を完全解説!